『ジャッキー・デリダの墓』 鵜飼哲
「絵画とは、人間を、おのれ自身の中および外の恐るべき力、運命、自然と対決させる冒険である。」
ジャン=ミシェル・アトラン(「絵画に〈声〉が来るとき」より)
この引用部分の冒頭、「絵画」の部分を、「音楽」や「文学」と変えても同様の意味を表わすことができる。そこを「舞踏」や「演技」で代えてもよいだろう。そもそも生きること自体が少なからず、自身の中と外とにある「恐るべき力」との対決としての意味を持っているのではないか。もっと正確にいえば、「よりよく生きること」を自覚的に模索しようとすれば、それらとの対決は不可避のはずだが、・・・