アタマの中と世界を結ぶ 東山とっとりとりとめない記録鳥

人生五十年下天の内を比ぶれば、残り七年強。

『本は読めないものだから心配するな』菅敬次郎

読書とは、一種の時間の循環装置だともいえるだろう。それは過去のために現在を投資し、未来へと関係づけるための行為だ。過去の痕跡をたどりその秘密をあばき、見いだされた謎により変容を強いられた世界の密林に、新たな未来の道を切り拓いてゆくための行為。時間はこうしてぐるぐるまわり、自分はどんどん自分でなくなってゆく。そこでもっともあからさまに問われる能力は、結局、記憶力だということになる。記憶力とは、流れをひき起こす力だ。過去が呼びだされ、その場に現在するテクストを通過して、ものすごい速さで予測される未来のどこかへと送りこまれてゆく。この加速力こそ読書の内実であり、読書の戦略とはさまざまな異質な過去を、どのようにこの加速の機構をつうじてひとつに合流させてゆくかということにほかならない。そしてこの流れだけが想念に力を与え、自分だけでなく「われわれ」の集合的な未来を、実際にデザインしていく。(『本は読めないものだから心配するな』菅敬次郎より)

メモ

『八月の光』ウィリアム・フォークナー

ジョー・クリスマス 幼少期の暴力描写」

①ミセス・マッケカーンが用意してくれた食事を床に叩きつけるシーン

②黒人の少女に暴行しかけ、逆に仲間から袋叩きに合うシーン

「思想 西川長夫について 酒井直樹

アメリカの対日本戦争終結後の統治計画=開戦時からのエキスパートの育成・教育への着手