2017-08-10 軍事力ではなく自らの社会制度を最善に高めること 8月6日(日)朝日新聞書評 立野純二評『歴史の逆襲』ジェニファー・ウェルシュ カナダ人学者の著者が今後の指針とみるのは、冷戦期の米戦略家ジョージ・ケナン氏の勧告である。 ソ連に対抗する最高の手段は、軍事力ではなく、自らの社会制度を最善に高めることだ―。自由民主主義の脆弱さを予見したうえでの結論だったと思う。 少なくとも一人でも、そんなふうに考えられる「戦略家」が日本の政府(行政機関)にいるだろうか。祈るような気持ちで。