アタマの中と世界を結ぶ 東山とっとりとりとめない記録鳥

人生五十年下天の内を比ぶれば、残り七年強。

言語資本主義linguistic capitalism に加えて

 これすごいです。必読書。でも、難しかった…

新記号論 脳とメディアが出会うとき (ゲンロン叢書)

新記号論 脳とメディアが出会うとき (ゲンロン叢書)

 

 

   ぼくたちは一日にどのくらい語を検索して、それぞれの検索語について何頁読んだかなんていちいち覚えていない。しかしじつは膨大な数の頁を読んでおり、これにそって自分の言葉を使って生活している。自分の精神を生み出していると言ってもいい。これがGoogleの言語資本主義と連動してきている。

 検索することにより、ぼくたちの「自分であることの意識」は生み出されている。検索しているとき、あたかも「自分」がイニシアティヴを取っているように思いがちだが、しだいに検索語にもとづいて自分を「個体化」していくようになる。ネットでは言語における個体化の活動が、ハイパーテキストのリンクによって横断されて断片化し計算論化され、個体individusが可分子dividuelsに変えられていくようになる。言葉や知識、記号や言説までが、資本主義の計算によぎられる時代に人類は到達したということなのだ。                                                                                         

石田英敬東浩紀『新記号論』「4つの追伸 ハイパーコントロール社会について」より)

 

 「一般文字学」という聞きなれない概念を理解することが、すでに現在もあり、今後も持続していくネット社会の性質を理解するためには不可欠であると感じるようになります。