アタマの中と世界を結ぶ 東山とっとりとりとめない記録鳥

人生五十年下天の内を比ぶれば、残り七年強。

被知覚態、変様態、そして概念

旅、そして「動きすぎてはいけない」ヒント

 たとえ帰ってくるつもりでも、わたしたちが家から離れれば、大リトルネロが湧きあがる。というのも、わたしたちがいつか帰るとき、それがわたしたちだとわかる者は、もはや誰もいなくなっているからだ。(『哲学とは何か』ドゥルーズガタリp272)

加えて、

…だれかがソクラテスに、

「あの人は旅をしてきたくせに、全然よくなっていないのです。」

というと、

「それはそうですよ。だって、自分をいっしょに運んでいったのですからね」

と返事が返ってきたという。…われわれは自分の鎖を、いっしょに引きずっている。つまり、完全な自由ではないのだ。自分が残してきたもののほうに、いまだに視線を向けているのであって、そのことで頭がいっぱいになっている。         (『エセー』モンテーニュⅠの三十八)

 『群像』2016年4月号「対談:モンテーニュという生き方」宮下志朗の発言