旅行というのは何かしゃべりに出かけて行って、戻ってみれば今度はこっちでまたしゃべるといった、そんなものです。行ったきり戻ってこないとか、向こうで小屋でも作るなら別ですが。だから私としては旅行には向かないし、生成変化を乱したくなければ、動きすぎてはいけない。驚いたことにトインビーはこう述べました―「遊牧民とは動かない者たちのことである。彼らは立ち去ることを拒むからこそ、遊牧民になるのだ」と。(ジル・ドゥルーズ『記号と事件』p277より)
「航海から戻って来ればもはやそれは旅立った時のその人ではない」