アタマの中と世界を結ぶ 東山とっとりとりとめない記録鳥

人生五十年下天の内を比ぶれば、残り七年強。

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

鼠骨来る 共に午餐をくふ/鼠骨去る 左千夫義郎蕨真来る 晩餐(鰻飯)を共にす 正岡子規

◇ 病床で激痛にのたうちまわる俳人を、友人や弟子筋がひっきりなしに見舞う。まるで病床がサロンになったかのよう。代わりに痛むわけにはいかないけれど、傍らでしばし気を散らせることはできる。そこには痛む人を孤立させないという知恵が働いていた。そう…

人間が抱く嫉妬のなかで最も暗くて陰湿なのは、対象となる人間の正しさや立派さに対してなの。 宮本輝

◇ 心ある大人たちに育てられた戦災孤児は成長して、長く住み込みで働いた先の老婦人にこう言われる。人は、正しいことをまっすぐにできる人のその“無垢”に嫉妬することがある。その伸びやかな光に照らされると、意識にいつも屈折を強いてきた自身の境遇ない…