アタマの中と世界を結ぶ 東山とっとりとりとめない記録鳥

人生五十年下天の内を比ぶれば、残り七年強。

2016-01-01から1年間の記事一覧

鼠骨来る 共に午餐をくふ/鼠骨去る 左千夫義郎蕨真来る 晩餐(鰻飯)を共にす 正岡子規

◇ 病床で激痛にのたうちまわる俳人を、友人や弟子筋がひっきりなしに見舞う。まるで病床がサロンになったかのよう。代わりに痛むわけにはいかないけれど、傍らでしばし気を散らせることはできる。そこには痛む人を孤立させないという知恵が働いていた。そう…

人間が抱く嫉妬のなかで最も暗くて陰湿なのは、対象となる人間の正しさや立派さに対してなの。 宮本輝

◇ 心ある大人たちに育てられた戦災孤児は成長して、長く住み込みで働いた先の老婦人にこう言われる。人は、正しいことをまっすぐにできる人のその“無垢”に嫉妬することがある。その伸びやかな光に照らされると、意識にいつも屈折を強いてきた自身の境遇ない…

現在に生きる 加藤周一「夕陽妄語」

841022 安危在是非不在強弱

行動を起こさないわれらの仲間たち

人類は目に見えないものを見る能力を持ち、歴史に対する想像力、伝統に対する創造力などはその最たるもので、歴史意識の欠如とは、個々の歴史的知識をあまり多くは持っていないということではなく、無限に詳細な探究を可能とする時空や事象の地平が、そのつ…

「名付けられないもの」として父祖たちが持っていた敬虔さを失った“我ら”

一般に、人が異教を排撃するのは、自らの宗教を熱烈に信じるからだと考えられるが、実は、そのような所ではむしろ、異教に対して寛容である。異教を排撃するのは、自らの宗教を信じていない時である。トッドの考えでは、フランスに反イスラム主義が生まれた…

愛することを永遠にやめれば弱みがなくなり、地球を支配できるだけの権力を手に入れることができる

そんなある日、ひとりのセールスマンがアルベリヒの家を訪れた。愛することを永遠にやめれば弱みがなくなり、地球を支配できるだけの権力を手に入れることができる、というのである。黄金に輝く権力があれば女性などいくらでも寄ってきますよ、サービス品み…