アタマの中と世界を結ぶ 東山とっとりとりとめない記録鳥

人生五十年下天の内を比ぶれば、残り七年強。

ミシェル・ウェルベック『ショーペンハウアーとともに』(1)

 一般に、あらゆる時代の賢人たちは常に同じことを語ってきたし、あらゆる時代の愚者たちは、つまり圧倒的大多数は常に同じことを、つまり、賢者たちの言ったことと反対のことを行ってきた。それは今後も変わらないだろう。だからこそ、ヴォルテールは述べたのだ。「私たちは、生を受けたときと同様に、愚かで悪意に満ちたままの世界を去るだろう」と。(第5章「人生をどう生きるか 私たちは何者なのか」)

 ほんとうに悲観的な見解だけど、同意せざるを得ない見通しではないかと思う。にもかかわらず、というか、それとは関係なく、人間にとってこの生の世界は幸福で意味のある世界でありうると、この後の引用から確信することができるようになっている。が、それはまた次回。