アタマの中と世界を結ぶ 東山とっとりとりとめない記録鳥

人生五十年下天の内を比ぶれば、残り七年強。

2019-06-30から1日間の記事一覧

カルペンティエル『失われた足跡』2

同じ場所で同じ面々にかこまれ、同じ歌がくりかえし合唱されてわたしの誕生日が祝われていると、それが前年の誕生日とことなるのは、まったく同じ味のするケーキの上のろうそくが、一本ふえたことだけではないか、という考えにいつも責めたてられた。同じ石…

モノローグとダイアローグ

私見によれば、川端康成の文学における日本については、本来モノローグによる自己充足や解放を好まず、ダイアローグによってドラマを進展させたり飛躍させたりする谷崎潤一郎の文学と較べてみると、少なくとも一つのことははっきりするように思う。それは、…